西暦二千十七年十一月八日

だいたい曇、朝に雨がぱらつく。季節感のない曖昧な気温の日が好きで、今までの日の記憶が混交するようでたのしい。例えば昨日の昼間から夕方みたいな陽を浴びながらタバコ屋のおばちゃんが外で本読みしていて、邪魔しては悪いような気がしたところまではよいけれどそこで感情を間違えてなぜか怒りが込み上げてきたというのはなにも昨日だけでなく、そういうことはもう何度もあったはず。それともそれは昼も夕も夜も彼女の姿勢が全く変わらない、動いたりする必要はもうないのかもしれない。

 

職工をルーツに持った海外の財閥って謎の緊張感があるよね〜案件があった。弐瓶勉作品の DRF ってどっちかというならそっち系なのかな。

 

リディア・デイヴィスの処女短編集を読んでいる。おもしろい。おもしろいんだけど、どういうところがおもしろいのかまだちょっと掴みきれずにいる。まあそんな簡単に把握できるようなものを面白がって読んだりはしないという話もある。

感情の動きを丁寧にトレースしているかと思えば突然人称が変わっていたりする、のに移行はあまりに自然体で行われて、押し付けがましいところは一切ない。無名の土地で無名の人物がやっていっているかと思えばいきなり前夫のポール・オースターやら鈴木鎮一やらアインシュタインやらが出てきてびっくりする、のに何というかこう、大事に使いすぎている感じはない。引用は息苦しさに繋がることも多い。サミュエル・ジョンソンが怒っている。時間の扱いがちょっと真似できそうにない、色味は少なく、陰影というよりもハイライトの印象が強い。わからない。

 

母の耳が遠くなってきている気がする。

 

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明日に続く。